吉野神宮(よしのじんぐう) HOME blog

鎮座地 〒639-3115 奈良県吉野郡吉野町大字吉野山2-1 旧大和国 吉野郡  
電話  0746-32-3088
旧社格等  官幣大社(現別表神社) 
御祭神  ・後醍醐天皇
御由緒  吉野神宮
御由緒

 吉野神宮のご祭神は、建武中興の御偉業をなし遂げられた後醍醐天皇です。今を遡る650年昔、理想に燃え、邁進せられた第96代後醍醐天皇はまさに激動の時代を生き抜かれた行動派天皇と申せましょう。そのご活躍ぶりは「太平記」に詳しいところですが、その御志は、江戸幕末の尊皇攘夷運動にも大きな影響を与え、明治維新として結実したといわれています。
 一方、後醍醐天皇はご幼少の頃より学問の研鑽に御心を注がれ、また、歌道についても格別ご堪能で、文化面に深くご修養をつまれました。さらに、神道をはじめ、真言、天台、禅等の奥義も極められました。従って、吉野神宮への参詣は、後醍醐天皇の御偉徳を偲び、ご祭神の広大無辺な御神徳に触れることになると申せましょう。
 吉野神宮は、明治22年に創立され、同25年の御鎮座祭には明治天皇の勅使が参向されました。また後村上天皇の勅命で刻まれ吉水神社(吉水院)に祀られていた後醍醐天皇の御尊像が、550年を経て吉野神宮の本殿に遷座奉鎮せられました。
 現在の社殿はその後の御造営で、昭和7年に竣工しました。2万7千坪の森厳な境内に、流れ造りの本殿、入母屋造りの拝殿などが美しく調和し、「玉骨はたとひ南山の苔に埋まるとも、魂塊は常に北闕の天を望まんと思ふ」と都に思いを寄せられた後醍醐天皇の御心を偲び、京都に向かって、北向きに建てられているのが印象的です。
 また、拝殿右に並ぶ摂社には建武中興に功績のあった日野資朝卿、日野俊基卿らの忠臣をお祀りしています。
御祭神 後醍醐天皇
  摂社・御影神社 藤原資朝卿、藤原俊基卿
      船岡神社 児島高徳卿、児島範長朝臣、桜山磁俊朝臣
      瀧櫻神社・土居通増朝臣 、得能通嗣朝臣
春の大祭(建武中興記念祭)四月第三日曜日
秋の大祭(例祭)九月二十七日(延元四年八月十六日後醍醐天皇崩御の日)

建武中興ゆかりの神社めぐり
 ①吉野神宮  後醍醐天皇 奈良県吉野郡吉野町吉野山
           天皇親政の理想に燃え、邁進された行動派天皇。
 ②鎌倉宮   護良親王 鎌倉市二階堂
          新政の原動力となった豪壮武勇の後醍醐天皇の皇子。鎌倉東光寺幽閉で知られる。
 ③伊井谷宮  宗良親王 静岡県引佐郡引佐町
          勤皇のため長年各地を転戦された後醍醐天皇の皇子。新葉集などの文学派親王。
 ④八代宮   懐良親王・良成親王 熊本県八代市松江城町
          征西大将軍の任を全うされた懐良親王、良成親王は後村上天皇の皇子。
 ⑤金崎宮   尊良親王・恒良親王 敦賀市金崎町
          尊良親王は金崎城で自刃され、恒良親王は御年15才で足利氏に毒を盛られて死去。
 ⑥小御門神社 藤原師賢公 千葉県香取郡下総町
           元弘の乱では後醍醐天皇の御衣を着て比叡山に登り、僧兵を糾合。
 ⑦菊池神社  菊池武時公、同武重公、同武光公 熊本県菊地市隈府
          菊池武時は楠木正成をして忠烈第一と言わしめた勤皇武将。
 ⑧湊川神社  楠木正成公、同正行公、同正季卿 神戸市中央区多聞通
          潔く戦場に散った熱血武将「嗚吁忠臣楠子之章」は水戸光圀公の建碑。
 ⑨名和神社  名和長年公 鳥取県西伯郡名和町
          後醍醐天皇を船上山に迎え、新政樹立に貢献した伯耆の名将。
 ⑩阿倍野神社 北畠親房公、同顕家公 大阪市阿倍野区北畠
           親房は「神皇正統記」を著した吉野朝廷「南朝」の思想的指導者。
 ⑪藤島神社  新田義貞公 福井市毛矢
          清和源氏を祖とするも天皇親政に命を賭けた名将。
 ⑫結城神社  結城宗広公 三重県津市結城町
          新田義貞公と協力して鎌倉幕府を倒した忠義の東国武将。
 ⑬霊山神社  北畠親房公、同顕信公、同顕家公、同守親公 福島県伊達郡霊山町
          義良親王(後村上天皇)を奉じて父親房らと霊山に陸奥鎮守府を開いた忠臣・顕家公。
 ⑭四条畷神社 楠木正行公、同正時公、和田賢秀卿 大阪府四条畷市南野
           如意輪寺の扉に矢尻で刻んだ辞世の歌や父正成との桜井の宿での別れが有名。
 ⑮北畠神社  北畠顕能公、同親房公、同顕家公 三重県一志郡美杉村
          伊勢国司となった顕能は親房公の三男、ここに霧山城を築いて40年間各地を転戦。
境内の四季
 桜の見頃は4月10日あたりから20日前後にかけてです。新芽が出てから花を咲かす山桜満開の姿は古来より絶賛される季節の絵巻物です。春の大祭も、この花の芸術を背景に執り行われ、このあと、山つつじ、新緑へと彩りを移します。
 全山、緑に覆われた樹木の間を涼風がさわやかに流れ、下界では味わえない清涼感に満たされます。時により、白雲が山すそをつつみ、まるで墨絵の世界のような風景に、別天地の思いがひしひしと・・・・・・・・
 桜もみじは10月中旬から始まり、順次、楓の紅葉へと移っていきます。11月中旬には雑木・漆・蔦などもあわせて、全山紅葉となり、桜の頃の見事さもさることながら、この紅葉風景も忘れ難い吉野路の想い出となることでしょう。
 静寂のたたずまいを見せる冬の御神域も感慨ひとしおのものがあります。時に、粉雪舞う日に訪れたならば、しんしんと降る風雪の様が壮烈な南朝の哀史をほうふつさせ、後醍醐天皇の御心が偲ばれます。
●交通の案内                                 
 ■近鉄電車吉野神宮駅下車1.2キロバス・タクシー
(特急所要時間)
大阪あべの駅から1時間8分
京都から1時間25分
名古屋から約3時間
■自動車
R24号橿原からR169号線で約30分
名阪国道針インターからR369号を経て約1時間
〒639-31 奈良県吉野郡吉野町吉野山                          
 TEL (07463)2-3088
 (平成祭データ)

 吉野神宮略年表
明治22年06月 「吉野宮」御創立決定・社格を官幣中社に列せられる
明治22年11月  社地を吉野山丈六平(現在地)に定められる
明治25年09月  御鎮座祭が行われる
明治34年08月  社格を官幣大社に昇格される
大正07年09月 「吉野宮」を「吉野神宮」と改称される
大正11年04月  社殿改築造営に国費を以て着手する
大正13年06月  造営事業を奉賛して篤志寄付金を以て附属建造物の造営・境内拡張などが開始される
昭和07年03月  御造営を完了する
昭和09年03月  建武中興600年祭が行われる
昭和14年10月  御創立50年・後醍醐天皇600年式年大祭が行われる
昭和17年10月  不慮の災禍に遭い、斎館・社務所を焼失する
昭和21年02月  神社の官制が廃止される
昭和55年02月  昭和54年9月の16号台風により損傷した本殿以下諸社殿の屋根葺替(銅板葺)及び
           防災施設整備などの修復工事を起工する上記事業の為に工事費全額が災害復旧特別
           奉賃金として募金される
昭和56年04月  修復工事が完成し、竣工奉告祭が行われる
昭和59年03月  建武中興650年祭が行われる
平成元年09月  御創立100年式年大祭・後醍醐天皇650年祭が行われる
平成10年07月  神宮号宣下80年記念として、篤志寄付金を以て斎館再建事業が竣工成る
平成16年03月  建武中興670年祭が行われる
 (神社パンフレットより)
参拝月日  08/20/2008

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境内入口の鳥居 拝殿