御由緒 |
◎祭神
顯國魂神 うつしくにたまのかみ
多都比姫神 たつひひめのかみ
宇賀能賣神 うがのめのかみ
大山祇神 おおやまづみのかみ)
坂上刈田麿命 さかのうえのかりたまろのみこと
◎由緒沿革
当社は昔から「お岩木さま」「お山」と親しんで呼ばれ、陸奥津軽の開拓の神、農海産物の守護神、また祖霊の座すところとして崇められてまいりました。神山・霊山である岩木山は津軽全土から仰望せられ、人々に慈しみの徳を授けたまい、郷土人の生活と心のよりどころであります。
岩木山大神は太古より神霊岩木嶺にお鎮りになられ、今から約一二〇〇年前、宝亀十一年(七八〇)社殿を山頂に創建したのが当社の起こりであります。
延暦十九年(八〇〇)征夷大将軍坂上田村麿これを再建し、別に山麓十腰内の里に下居宮を建立して、山頂を奥宮と称し、寛治五年(一〇九一)神宣により下居宮を現在地に奉遷いたしました。 その後、世々の地頭・領主何れもがよく崇敬の赤誠をつくし、江戸時代には津軽藩主為信・信牧・信義・信政により大造営が行なわれ、近代には崇敬者の熱意を集めて、建造物、諸施設とも整い、名実ともにその威容を誇り、畏き辺りも日本の北門鎮護の名社として、農業・漁業・商工業・医薬・交通関係、とりわけ開運福の神として、色々の宗派を越え、深い信仰の源として厚く崇敬されております。
新しき時代に向かい、ご神徳のまにまに、日本人の心の絆としてひとしく拝し、ご神威ますます輝かしく仰ぎ奉られるのであります。 大國魂鎮守 旧國幣社
◎重要文化財
本殿 奥門 瑞垣 拝殿 中門 楼門 お山参詣(無形)
◎県重宝
釣燈籠 日本刀綱廣 舞楽面
◎奥宮神賑祭 (お山参詣)-重要無形民俗文化財
旧八月朔日、秋の稲穂の波打つ頃、五穀豊穣の感謝と祈願をこめ、山頂奥宮に村落毎に団体で登拝する古くからの行事です。 登拝に先立ち、各村々の産土神の社に一週間精進潔斎し、新しい白装束に身を固め、登拝回数に応じ色とりどりの御幣を持ち、別に大幟や大御幣を力自慢の若者が捧持して登山囃子も賑々しく唱和して街道を練歩き、総産土神の大社と称える岩木山神社に参拝します。 神域の禊所で再び身を清め、神前で修祓を受けて夜半に至り朔日山の朝日を拝すべく元気に奥宮に向い登山します。 その道程約六キロ七曲坂の難所、女人禁制時代の名残姥石、焼止りで中腹、浄水湧く錫杖清水、種蒔苗代の池で占いし、急な御坂を経て、四時間で奥宮に達します。 現今は登拝のためにスカイラインも開通しています。
《登山囃子唱文》
懺悔懺悔 六根懺悔 御山八大 金剛道者 一々礼拝 南無帰命頂礼
さいぎさいぎ どっこいさいぎ おやまさやちだい こんごうどうしゃ いちになのはい なむきんみょうちょうらい
《下山囃子唱文》
宵山かけた 朔日山かけた 笑 萬足萬足よ
よいやまかけた ついたちやまかけた あゝ ばたらばたらばたらよ
(岩木山神社パンフレットより) |