御由緒 |
阿蘇の中心地大字役犬原の地に、元の村社で阿蘇神社の摂社である霜神社の御いわれは、遠く紀元前二千五百数年前御本社阿蘇神社の御祭神である、たけいわたつのみことがお始めになり、国土経営の大業成りて、民人に生活の道を教え五穀をうえしめられる。
ここに於いて土地開け民人育つ。されど寒霜早く降りて五穀みのらず大神これをうれえて霜の神をまつり、火たきの神事を起こして祈誓をなし、たまひしに霊感忽ちいたりて、風・雨・霜・雪よろしきを得、五穀ゆたかにみのり、民人の生活安定するにいたれり。
これ霜の宮の起源にして二千五百有余年の間大神のおきてを守りて今日に至る。
今や終戦後の人心混乱も次第におちつき百事反省の期に入り、民族宗教であり、祖先教である日本国の敬神崇祖の道こそは又民主主義生活の生命である。
真心こそは凡てをつらぬく永久不滅の真理であり、子孫繁昌の本である。農は国の本なり大神のおきてに従い全国でただ一つの火たき神事に氏子の真心を結集し、五穀の豊穣と民生の安定を祈願致します。
◎八月十三日しめ卸し行事~火焚神事の始まりとして御本尊以下火焚殿、神楽等しめを張り清祓をする。
◎八月十九日乙女入神事~御本社に鎮まります御祭神を御神輿に移して火焚殿に御遷座の上、火打石 にて鑽出したる斎火を以て六十日間夜昼たやしなく燃やし続ける。又五穀豊穣を祈念して随時、臨 時の祭典も行われる。
◎九月十五日ぬくめ綿入れの祭~此の日、神職以下奉仕者は潔斎して、精選せる真綿を捧げ、御神体 に覆いてあたため、時候温暖にして五穀の豊穣を祈る。
◎十月十六日乙女揚神事~六十日間焚続けし火をおさめ、御神体は御本殿に御還幸となる。乙女も此 の日自宅に帰る神事。
◎十月十八日夜度祭~終夜阿蘇古代神楽を神楽殿に於いて奏し神恩報謝と五穀豊穣、無病息災を祈願 する。
◎十月十九日例祭~年一度の例大祭で宮司以下神職斎戒の上奉仕する。神恩に感謝し天下泰平、氏子 の安泰を祈る。
◎十月二十九日満願日~霜延祈願の満願の日で神職、乙女、氏子代表者一同拝殿に進みて御祭りを奉 仕、祈願を解く、いわゆる満願の日である。
此の年間の行事は自来子々孫々に至る今日まで怠る事なく続けられて来た事は、歴史上明かな処であります。
以上
(平成祭データ)
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