御由緒 |
当社は、岩国藩主の祖先吉川元春公が、天文年間安芸国山県郡新庄村日の山城主の時、一祠を建て祖霊を奉祀したことに始まる。
慶長5年吉川広家公は、関ケ原役後雲州から岩国に移封されたが、このとき当地横山に居館を構え築城、のち正徳年間本社をこの地へ奉遷し、居館の西、城山のふもとに社殿を造営した。
明治4年廃藩置県の令があり、同年5月経健公は東京に帰住後、有志数百人と相はかり同7年本社を後世に残すべく認可をうけ、8神を合祀して吉香神社(きっこう)と称した。
(平成祭データ)
国指定重要文化財
吉香神社
本殿、拝殿及び幣殿、神門 3棟
鳥居 1基
付 棟札 2枚
指定年月日 平成16年12月10日
所有者 宗教法人吉香神社
吉香神社は岩国藩主吉川氏歴代の神霊を祀る神社で、現社殿は、享保13年(1728)横山の白山神社境内に造営され、明治18年(1855)に旧城跡の現在地に移築されたものです。
鳥居、神門、拝殿及び幣殿、本殿が南から北に一直線に並んだ構成となっています。
神門は小型の四脚門で冠木中央に吉川家家紋があり、拝殿は、入母屋造で背面に幣殿が張り出し、本殿は、三間社流造で正面に軒唐破風、千鳥破風が付されています。
いずれも軸部から小屋組まで当初形式をよく保持しており、充実した細部を備えた丁寧なつくりとなっています。
特に本殿と拝殿および幣殿は独特な形式で複雑な架構と屋根形式を巧みにまとめていて、独自性が認められます。
全国的にも数少ない祖霊を祀る神社建築で、全体に岩国藩大工の高い技術が窺え、地方における江戸中期の優品として、高い価値が認められます。
岩国市教育委員会
(社前案内)
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